東京都江東区東雲の工場ビル様より、外階段・踊り場の長尺シート貼り替え工事をご依頼いただきました。既存シートの経年劣化が進み、ステップのノンスリップ部分には破れや応急テープ補修の跡も見られる状態でした。
階段15段(W1200)にはタキステップ5W-433、踊り場2箇所にはタキストロンSA-433を使用し、撤去から完成まで1日施工で対応。世界情勢の影響で材料調達が難しい時期でしたが、お客様の「5月までに交換したい」というご要望に応えるべく、メーカー・材料商社との早期調整からスタートした工事をご紹介します。

施工概要
- 所在地:東京都江東区東雲
- 建物用途:工場ビル
- 工事内容:外階段・踊り場 長尺シート貼り替え工事
- 階段:15段(W1200)
- 踊り場:2箇所(2.3m×1.8m、1.2m×1.0m)
- 主な使用材料:タキステップ5W-433(階段)、タキストロンSA-433(踊り場)、タキシール(ウレタン樹脂系一成分形端部処理材)
- 工期:1日
お客様のお悩み
既存の長尺シートは経年による劣化が進み、ステップのノンスリップ部分には破れやめくれが目立ち、応急のテープ補修も限界に近づいていました。お客様からは「劣化が激しいため、5月中にはシートを交換したい」というご要望をいただいておりました。

工場ビルの外階段という性質上、足元にオイルや粉塵が付着する場面も想定されます。シートの摩耗が進めば滑りや転倒のリスクは高まりますし、日常的に多くの社員様が通行される外階段・踊り場である以上、安全性は最優先で確保したいところです。耐久性と防滑性の両方を満たす仕様での更新が求められる現場でした。

施工のポイント
今回の現場で特に意識したのが、長尺シートに浮きや膨れを出さない仕上がりです。長尺シートの不具合の多くは、下地に残った旧接着剤や圧着不足によって起こります。そこで撤去後のケレン作業と、シート貼り付け後のハンドローラー圧着には、いつも以上に時間をかけました。
もう一つのポイントが、端末処理箇所への立入注意マーキングです。タキシールは打設直後はまだ柔らかく、完全硬化までしばらく時間がかかります。お客様が誤って踏んでしまうと仕上がりが乱れるだけでなく、靴底に付着するなど別のトラブルにもつながります。そこで弊社では、端末処理箇所すべてに緑色の養生テープを矢印型に残して撤収するようにしています。「ここは踏まないでください」という視覚サインで、お客様の通行をさりげなくガイドする工夫です。

施工の流れ
1. 既存長尺シート撤去
まずは既存の長尺シートを撤去します。接着剤で強固に貼り付けられているため、電動ハツリハンマーにノミ刃を装着し、旧シートと旧接着剤の層を一気にめくり上げていきます。階段15段と踊り場2箇所すべてを丁寧に剥がしていく、地道で力のいる作業です。

2. 下地調整(ケレン作業)
シート撤去後の下地には、古い接着剤やシートの破片が残っています。これを放置したまま新しいシートを貼ると、新規接着剤の密着が悪くなり、浮きや膨れの原因になります。スクレイパーを使って、残った接着剤を丁寧に削り取っていきます。

ここでの作業精度が、新しい長尺シートの耐久性を大きく左右します。コンクリート下地を傷めない範囲で、できる限り平滑な状態まで整えます。

3. 接着剤塗布
下地調整が完了したら、エポキシ系接着剤をクシゴテで塗布していきます。階段の踏面・蹴上げ・段鼻、そして踊り場まで、均一にクシ目を立てるのがポイントです。クシ目がしっかり立っていないと、接着剤の量にムラが出てシートの密着不良につながります。

階段全段への接着剤塗布が完了した状態がこちら。施工前の全景写真とほぼ同じアングルで見ると、下地が整い接着剤で均一にコーティングされた状態がよく分かります。ここまでくれば、いよいよシート貼り付けの工程へと進みます。


踊り場側も同様に、均一なクシ目で接着剤を塗布。階段と踊り場、それぞれに適した接着剤の使い分けと塗布量で進めていきます。

4. 長尺シート貼り付け
接着剤のオープンタイム(指触乾燥時間)を経たら、長尺シートを位置決めしながら貼り込んでいきます。空気を巻き込まないよう、ロール状のシートを少しずつ展開しながら下地に密着させていくのがコツです。階段はタキステップ5W-433、踊り場はタキストロンSA-433と、それぞれ専用の材料を使用しています。

5. ハンドローラー圧着
シートを貼っただけでは接着不足です。ハンドローラーで隅々まで圧をかけ、シートと下地の間に空気が残らないよう均等に圧着していきます。今回は「浮きや膨れを絶対に出さない」という観点から、特に丁寧に押さえました。継ぎ目部分や端末側も、しっかりと密着するまで何度も往復させます。

6. 端末シーリング
長尺シートの端末部分(壁との取り合い、手すり支柱の根元、配管周りなど)には、雨水や汚れが入り込まないようタキシールを打設します。タキシールはウレタン樹脂系一成分形の端部処理材で、長尺シートとの相性が良く、シートメーカー純正材ならではの長期的な密着が期待できます。マスキングテープで養生してから打設し、ヘラで丁寧に押さえて仕上げます。


7. 立入注意マーキング
最後に、すべての端末処理箇所に緑色の矢印型養生テープを残して撤収します。これはマスキングテープの撤去忘れではなく、お客様にタキシール打設箇所を踏まないでいただくための視覚サインです。タキシールが完全硬化するまでの数時間、安心して通行いただくための小さな心遣いです。

ビフォーアフター
階段全景を下から見上げたアングルで比較すると、変化は一目瞭然です。経年劣化が進んでいた既存シートが、明るく整った新しい長尺シートへと一新されました。

上から踊り場を見下ろしたアングルでも、新しい長尺シートとタキステップの一体感のある仕上がりが確認できます。施工後の写真には、タキシール打設箇所への立入注意マーキングも写り込んでいます。

タキステップ・タキストロンとは
階段専用の長尺シート「タキステップ5W-433」(タキロンマテックス株式会社製)は、踏面・段鼻・蹴上げが一体成型された塩ビ系の長尺シートです。段鼻部分には防滑性の高いノンスリップ加工が施されており、雨天時の足元の安全性を確保。耐摩耗性も高く、屋外階段の長期メンテナンスに広く採用されている材料です。

踊り場にはシリーズ品の「タキストロンSA-433」を使用。階段と同系色で連続性を持たせつつ、フラットな床面に適した仕様で施工しました。階段から踊り場へのつながりも、見た目にスッキリと仕上がります。

担当者コメント
今回の工事で最も苦労したのは、実は施工そのものよりも材料の発注でした。世界情勢の影響で長尺シートの材料調達が難しい状況が続いており、メーカーや材料商社との在庫確認・納期調整を何度も重ねる必要がありました。
お客様からは「5月までにシートを交換したい」というご要望をいただいていたため、早い段階からメーカー・材料商社と密に連携し、必要な数量の確保に向けて調整を進めました。また、今後さらに材料費が上昇する見込みもあったことから、できる限り早めの発注を心がけています。
施工面で特に意識したのは、「長尺シートに浮きや膨れを出さない仕上がり」です。そのために、下地調整(ケレン作業)の精度と、ハンドローラーでの圧着作業を、いつも以上に丁寧に行いました。下地に古い接着剤が残ったままだと、後から浮きや剥がれの原因になります。今回は隅々まで時間をかけて削り、新しい接着剤がしっかり密着する状態に整えた上でシートを貼り込んでいます。
お客様のご希望の期日内に施工を完了でき、喜んでいただけた現場となりました。

まとめ
今回は江東区東雲の工場ビル様にて、外階段15段と踊り場2箇所の長尺シート貼り替え工事を、撤去から完成まで1日施工で対応させていただきました。世界情勢の影響で材料調達が難しい時期でしたが、メーカー・材料商社との早期連携によりお客様のご希望期日内で施工を完了。下地のケレン作業とハンドローラーでの圧着を徹底し、浮きや膨れのない長く使える仕上がりに整えました。タキシールでの端末処理箇所には立入注意マーキングも残し、お客様の通行安全までを含めた施工としてお引き渡ししています。
防水・外壁改修工事は、適切な工法と確かな施工技術によって、建物の寿命を大きく延ばすことができます。有限会社丸山防水工業は、創業以来60年以上にわたり防水工事を専門に手がけてきた自社職人が、責任を持って施工いたします。
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